犬が嫌いな匂いとは?犬が嫌いな匂いと対策について解説

犬が嫌いな匂いとは?犬が嫌いな匂いと対策について解説 犬のコラム

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日常の中で犬が急に距離を取ったり、元気がなくなったりするときは、もしかするとその空間の匂いが嫌いな可能性があります。

人間がいい匂いと思うものも、犬にとっては耐え難い匂いである場合があります。

犬はどんな匂いに反応しているのでしょうか。

今回は、犬の嫌いな匂いと、嫌いな匂いを利用したしつけ方法について解説します。

 

この記事の内容
  • 犬の嫌いな匂いとは
  • 犬の嫌いな匂いを利用したしつけ方法
  • 犬の嫌いな匂いを利用したしつけの注意点

 

 

犬の嫌いな匂い

犬の嫌いな匂い

 

犬たちの鋭敏な嗅覚は、人間の嗅覚と比べて大変優れており、人間の100万倍だと言われています。

そのため、人間にとって何ともない匂いが、犬にとっては苦痛な場合があります。

犬が好む匂いや嫌う匂いを理解することは、飼い主にとって重要ですので、犬の嫌いな匂いについて見ていきましょう。

 

犬の嫌いな匂い
  • お酢
  • 柑橘系の匂い
  • 香辛料の匂い
  • ハーブの匂い
  • タバコ
  • アルコール
  • マニキュア
  • 香水
  • 湿布
  • 化学物質
  • らっきょう

 

お酢

犬が嫌う匂いの一つが「お酢」です。

お酢は我々人間にとっては一般的な食材であり、調理や掃除にも利用されますが、犬にとっては強烈な匂いとなります。

正直、人間が嗅いでもかなり強烈なお酢が発する鋭い匂いは、犬の嗅覚にとっては特に強烈で、相当な嫌悪感を抱きます。

お酢は酸性の成分を含んでおり、犬の鋭い嗅覚に加えて、鼻や喉にも刺激になります。

お酢の鋭い匂いや刺激を感じると、犬にとっては耐え難いほどの不快感となりますので、犬の近くではお酢を使用しないことを強くおすすめします。

 

柑橘系の匂い

柑橘系の匂いは、一般的に人間にとってはさわやかで爽快な香りとして知られていますが、犬にとっては好ましくない匂いとされています。

柑橘類にはリモネンと呼ばれる成分が含まれており、これが犬の鼻の粘膜を刺激する要因となっています。

犬の嗅覚が人間よりも遥かに優れていることから、柑橘系の香りは犬にとって非常に強烈で刺激的に感じられるのです。

アロマテラピーで柑橘系の匂いを使ったり、シャンプーやハンドソープにも柑橘系の香りが使用されていることが多いので、犬のためには控えておくのが無難です。

 

香辛料の匂い

香辛料の匂いは、人間にとっては食欲が増し、料理の風味が良くなることで良く使用されていますが、犬にとっては嫌悪感を抱く匂いとされています。

例えば、コショウ、シナモン、唐辛子、わさび、ネギなどが香辛料に該当します。

これらの香辛料は、その強烈な香りが犬の嗅覚にとっては過剰であり、時に刺激的で不快に感じられることがあります。

特に、コショウのような刺激的な香りは、人間が感じる以上に犬にとっては強烈に映ることが知られています。

私たちもコショウや唐辛子を吸い込むと咳き込むほど辛いので、犬にとっては耐え難いものに違いありません。

 

ハーブの匂い

ハーブの匂いは犬にとっても個体差があり好き嫌いが分かれることがありますが、中には強い刺激を感じる犬もいます。

ハーブの中でも、犬が苦手とする香りがいくつか存在します。

例えば、ペパーミントやユーカリ、シトロネラなどは、一部の犬にとって強い刺激となり、嫌悪感を示すことがあります。

これらのハーブは、人間にとってはさわやかで爽快な香りとして知られていますが、犬の嗅覚は非常に鋭敏であり、強い香りがストレスを引き起こすことがあります。

特にシトロネラは、一部の犬種や個体にとっては刺激が強すぎて嫌悪感を覚えることがあり、その作用を利用して虫よけスプレーやキャンドルに使われることがあるほどです。

ハーブ系には、例えばラベンダー、ローズマリー、タイムなどがありますが、これらの香りは一部の犬にとってはリラックス効果があるとされ、特にラベンダーはストレスの軽減に寄与することが知られています。

ただし、個体差があるため、犬がハーブの匂いにどう反応するかは試してみて確認するのが良いでしょう。

 

タバコ

タバコの匂いは犬にとって不快で、嫌悪感を引き起こすことがあります。

タバコに含まれるニコチンやその他の有害物質は、犬の嗅覚にとっては強烈で刺激的なものとなります。

煙草の燃焼時に発生する煙や、服や部屋に付着したタバコの臭いは、犬の喉や鼻を刺激し、ストレスを引き起こす可能性が大いにあります。

また、犬が喫煙者の周りにいると、受動喫煙による健康被害も懸念されます。

副流煙は人間だけでなく犬にも大きな健康被害になりますので、家族に喫煙者がいる家は喫煙場所を配慮しましょう。

 

アルコール

アルコールの匂いは犬にとって嫌悪感を引き起こすことがあります。

アルコールの特有の香りは犬にとっては強烈で感知しやすいものです。

近年、手指消毒でアルコールを使う頻度がかなり高くなっており、近くにいる犬はかなり嫌な思いをしているかもしれません。

アルコールは匂いだけでなく、アルコール自体も犬にとっては有害です。

アルコールは犬の体内で分解されにくく、少量でも犬の健康に悪影響を与える可能性があります。

アルコールを摂取すると、犬は酔ってしまう可能性があり、中毒症状や体調不良を引き起こすことがあります。

アルコールを含む飲み物や手指消毒液などに注意し、犬がこれらの物質に触れないようにすることが重要です。

 

マニキュア

マニキュアや除光液の匂いも犬にとって嫌いな匂いの一つです。

マニキュアには素早く乾燥させるための揮発性の溶剤が含まれており、これが特有の刺激臭を生む原因です。

犬はその優れた嗅覚によって、強烈な匂いを感知し、その刺激に過敏に反応することがあります。

犬はマニキュアの匂いが苦手で、その刺激臭が引き起こす不快感から離れようとすることがあり、飼い主がマニキュアを塗る際に同じ空間にいるだけで、犬が具合が悪くなることもあります。

そのため、マニキュアを使用する際は換気を十分にし、可能であれば犬が近づけないような環境を整えてから使用しましょう。

 

香水

香水の匂いは、犬にとっても好ましくない場合があります。

犬は優れた嗅覚を持ち、自然界の匂いに適応しています。

しかし、香水は人工的な香りであり、犬にとっては理解困難で不自然な匂いとなります。

特に柑橘系や花の香りなど、人間が好む香りでも、犬にとっては刺激的で過剰な香りに感じられることがあります。

犬は自然な匂いを大切にし、人工的な香りに対しては避ける傾向があります。

香水の強い香りは、犬の鼻にとって過負荷となり、不快感を引き起こしますので、飼い主が香水を使用する際は、控えめな香りのものを選ぶか、犬の近くで使用しないよう心がけると良いでしょう。

 

湿布

湿布の匂いも、犬にとっては敏感で好ましくない匂いの一つです。

湿布には様々な成分が含まれており、その香りは人間にとっても強く感じられることがあります。

しかし、犬の嗅覚は人間よりも遥かに優れているため、湿布の匂いが犬にとっては不快で刺激的なものとなることがあります。

湿布には一般的に、メントールやユーカリ油などが含まれ、これらの成分が犬にとっては強烈な香りとなります。

特にメントールは、清涼感を与える成分であり、これが犬にとっては不安を引き起こすことがあります。

湿布を貼っているときには一緒にいない、一緒に寝ないなど、なるべく湿布を避けてあげた方が犬のストレスにならないでしょう。

 

化学物質

化学物質の匂いも、犬にとっては好ましくない匂いの一つです。

化学物質が発する匂いは人間よりも強烈に感じられることがあります。

特に揮発性の強い化学物質は、犬にとっては刺激的で不快な匂いとなります。

例えば、家庭用品や清掃用品、塗料、接着剤、殺虫剤などに含まれる化学物質は、犬が嗅いだ際にストレスを感じる可能性があります。

特に塩素系の掃除用品は換気が必要なほど危険な成分で、どの動物にも危険であると言えます。

殺虫剤は人間には害のないよう作られていますが、犬に関しては有用なデータが開示されていないので、犬の側では使わない方が無難です。

飼い主は化学物質を含む製品を使用する際には、犬の安全を考慮し、換気を良くするなどの対策を講じることが大切です。

 

らっきょう

らっきょうは、犬が嫌う匂いの一つです。

らっきょうには、玉ねぎやネギ類に含まれる成分が含まれており、これが犬にとっては刺激的な匂いだけでなく、健康にも害が及びます。

犬は玉ねぎやネギに含まれる成分を摂取すると、赤血球が崩壊するヘモリシスを引き起こすことが知られています。

犬には絶対に玉ねぎやネギを食べさせてはいけない、と言われているのはこのためです。

同様に、らっきょうにも注意が必要であり、飼い主は犬にこれらの食品を与えないように心掛けるべきです。

 

犬の嫌いな匂いはしつけに利用できる

犬の嫌いな匂いはしつけに利用できる

 

犬の嫌いな匂いは、しつけにおいて効果的に活用できます。

特に、噛み癖のしつけにおいては、嫌いな匂いを利用することで改善されるでしょう。

犬の嫌いな匂いをしつけに利用する方法をご紹介します。

 

犬の嫌いな匂いをしつけに利用する方法
  • 噛み癖を治す
  • トイレの失敗を治す
  • 犬の嫌いな匂いを使った手作りスプレーの作り方

 

噛み癖を治す

犬が噛み癖を持つと、家具や靴などを噛むことがあります。

このような行動は飼い主にとってかなり悩ましいことの1つですが、成長段階の犬に見られるもので、しっかりとしたしつけをすれば噛み癖は治ります。

ここで嫌いな匂いを活用すると、犬はその匂いの場所を避けるようになり、噛む癖が減少する効果が期待できます。

例えば、犬が噛み癖を発揮する場所、ソファやテーブル、クッションなどに、犬が嫌う匂いを漂わせることで、犬はその場所を避けるようになります。

柑橘系やハーブ系などのスプレーを使うことによって、犬が不快に感じ、効果的なしつけが行えます。

とはいえ噛むものがなくなってしまっては犬のストレスになる可能性があるので、代わりのおもちゃを与えておきましょう。

 

トイレの失敗を治す

犬のトイレトレーニングにも嫌いな匂いを利用することが役立ちます。

子犬のうちはなかなかトイレの場所が覚えられずに違う場所でトイレをしてしまったり、トイレシートからはみ出してしまったりします。

この問題に対処するために、トイレを失敗した場所に犬が嫌う匂いを漂わせると、犬はその場所を避けるようになります。

柑橘系やハーブ系などの香りをトイレの周りに撒いておくことで、犬はその場所を避けるようになり、徐々に正しい場所で排泄する習慣を身につけることが期待できます。

 

犬の嫌いな匂いを使った手作りスプレーの作り方

犬のしつけや環境整備に役立つ手作りスプレーを作ることができます。

以下は、犬が嫌う匂いを活用した手作りスプレーの作り方です。

 

材料

  • お酢(1カップ)
  • 水(1カップ)
  • レモンやオレンジの皮(1つ分)
  • シナモンスティックまたはパウダー

 

手順

  1. 鍋に水とお酢を入れ、中火で温めます。
  2. 温かくなったら、レモンやオレンジの皮、シナモンを加え、約15分間煮沸します。
  3. 火を止め、液体が冷めたら、スプレーボトルに注ぎ入れます。

もし飼い主が苦手な香りがあれば除いて大丈夫です。

安全な食材を使っているので、万が一犬が舐めてしまっても全く問題ありませんし、赤ちゃんがいるご家庭にも安心です。

犬の嫌がるスプレーは市販でも売っていますので、ペットショップ等でぜひ探してみてください。

ただし、犬の健康に悪影響を与える可能性のある成分を使用しないように注意してください。

 

犬の嫌いな匂いを利用したしつけの注意点

犬の嫌いな匂いを利用したしつけの注意点

 

犬の嫌いな匂いをしつけトレーニングに使うことは大変有用ですが、気をつけなければならない注意点があります。

犬の健康に関わることですので、注意点をしっかり見ていきましょう。

 

犬の嫌いな匂いを利用したしつけの注意点
  • 犬に直接スプレーするのはNG
  • 匂いの種類をローテーションして使用する
  • アレルギー反応に注意する

 

犬に直接スプレーするのはNG

犬の嫌いな匂いを活用したしつけは効果的ですが、注意が必要です。

特に、直接犬にスプレーをかけることは絶対に避けるべきです。

例え犬が悪いことをしてしまった時でも、しつけの一環でスプレーを直接犬にかけることは絶対にやめましょう。

犬の嫌いな匂いのする液体が犬にかかってしまうと、嫌な匂いが体から感じ、大きなストレスとなります。

犬は自分で拭うことができないので、嫌な匂いが体に残ったままになります。

嫌な匂いをスプレーされた、というトラウマが残り、飼い主との信頼関係が崩れてしまう原因にもなりかねません。

 

匂いの種類をローテーションして使用する

犬の嫌いな匂いを利用したしつけで大切なのは、匂いの種類をローテーションして使用することです。

犬は順応性が高く、同じ匂いに慣れてしまうとその効果が薄れることがあります。

そのため、異なる匂いを使うことで犬に対する効果を維持しやすくなります。

例えば、トイレのしつけに使う匂い、噛み癖を治すための匂いなど、目的に応じて適切な香りを選んで利用しましょう。

ローテーションを取り入れることで、犬が慣れずに効果的にしつけができるでしょう。

 

アレルギー反応に注意する

犬の嫌いな匂いを利用したしつけを行う際、注意が必要なポイントの一つがアレルギー反応です。

犬は嗅覚が非常に発達しており、強い匂いに対して敏感です。

特定の匂い成分に対してアレルギー反応を起こす可能性があるため、使用する香りには慎重になるべきです。

匂いを利用したトレーニングを始める前に、犬が反応しそうな匂いについて飼い主が注意深く観察し、異常な行動や体調の変化が見られた場合は速やかに中止し、反応がひどい場合は獣医に相談してください。

安全性を最優先に考え、犬の健康を害することがないよう心掛けましょう。

 

犬の嫌いな匂いまとめ

犬の嫌いな匂いまとめ

 

今回は、犬の嫌いな匂いと、嫌いな匂いを利用したしつけ方法について解説しました。

今回の記事のまとめです。

 

犬の嫌いな匂いまとめ
  • お酢
  • 柑橘系の匂い
  • 香辛料の匂い
  • ハーブの匂い
  • タバコ
  • アルコール
  • マニキュア
  • 香水
  • 湿布
  • 化学物質
  • らっきょう

【犬の嫌いな匂いをしつけに使う方法】

  • 噛み癖を治す
  • トイレの失敗を治す
  • 犬の嫌いな匂いを使った手作りスプレーを作る

【犬の嫌いな匂いをしつけに使う時の注意点】

  • 犬に直接スプレーするのはNG
  • 匂いの種類をローテーションして使用する
  • アレルギー反応に注意する

犬の嗅覚は私たち人間とは比べ物にならないほど鋭く、私たちが何ともない匂いには反応を示し、私たちが苦手な匂いは犬にとってはもっと苦手だと感じています。

人間にも香りの好みがあるように犬にも個体差はありますが、今回挙げた匂いに関しては好き嫌いというよりは刺激の強さが問題なので、犬の周りでは避けることをおすすめします。

 

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