犬の息が荒いけれど大丈夫かな?
ハァハァ言っているけれど、はしゃぎすぎただけ?
犬の息が荒い時は、運動の後などに起こる通常なものと、熱中症や呼吸困難など危険な場合もあります。
息が荒いのが続くと心配になりますよね。
今回は犬の息が荒い原因と見分け方、対処法について解説します。
- 犬の息が荒い場合に考えられる原因
- 犬の息が荒いのかを見分ける方法
- 犬の息が荒い場合の対処法
犬の息が荒い場合に考えられる原因
犬の息が荒い場合、どんな原因が考えられるでしょうか。
通常の反応なのか病気なのか原因がわかればいざという時に慌てずに対処できます。
犬の息が荒い原因について見ていきましょう。
- 運動した後
- 体温調整のため
- ストレスや不安を感じたとき
- 物を間違って飲み込んだとき
- 怪我をした場合
- 熱中症
- 病気による呼吸困難
運動した後
運動や散歩が終わった時、一般的に呼吸が荒くなります。
激しい運動によって体内の酸素需要が急増し、それに応じて呼吸が活発になります。
これは通常の生理的な反応であり、特に心配する必要はありません。
しかし、注意が必要なのは、運動後も異常な呼吸が続く場合です。
普段と異なる呼吸パターンや持続的な異常症状が見られる場合は、生理的なものではなく潜在的な健康問題の兆候である可能性があります。
体温調整のため
犬は体温を調整する時、息が荒くなります。
犬は暑さを感じた際に、人間とは異なり汗をかいて体温を下げるのではなく、代わりに呼吸を通じて体内の熱を逃がし、体温を調整します。
特に運動後や気温が高い環境での活動時に、犬の呼吸が荒くなることがあります。
これは通常、自然な反応であり、安静にしていれば次第に呼吸は落ち着きます。
ただし、犬の呼吸が異常に速い場合は、熱中症の可能性もあるため、注意が必要です。
ストレスや不安を感じたとき
犬がストレスや不安を感じると、呼吸が速く荒くなることがあります。
この現象は、犬の精神的な状態が影響して交感神経が優位になるためで、興奮、恐怖、緊張などが原因で、一時的に呼吸が速くなります。
これは身体を本能的にストレスから逃げようとする、エネルギーを高めるための生理的な反応です。
過呼吸や浅い呼吸が見られ、ストレスや不安な状況への対処の一環として現れます。
飼い主は犬の行動や表情をよく観察し、環境の変化や新しい刺激がストレスを引き起こす可能性があるか確認することが重要です。
物を間違って飲み込んだとき
犬が誤って物を飲み込むと、呼吸に支障が生じ、息苦しさで息が荒くなる可能性があります。
異物が喉や食道に詰まり、通常の呼吸が妨げられることが主な原因です。
この状況では、犬は口を大きく開けてハアハアと呼吸し、不安や興奮を示すことがあります。
飼い主は犬が異物を誤って飲み込んでいないかを注意深く見守り、異変を察知した場合は迅速に動物病院を受診することが重要です。
異物が早期に取り除かれないと、犬の健康に悪影響を及ぼす可能性があるため、速やかな対処が求められます。
怪我をした場合
犬が怪我をすると、痛みや異常な状態により呼吸が荒くなることがあります。
怪我による痛みや不快感がある場合、犬はストレスからくる生理的な反応で呼吸が速まります。
怪我を疑う場合、傷や異常がないかを確認し、特に骨折や大きな出血などがないか注意深く調べてください。
呼吸が異常に速い場合、痛みや怪我の可能性が高いため、早めに動物病院を受診して専門家の診断を仰ぐことが重要です。
熱中症
犬が熱中症になると、呼吸が荒くなることがあります。
熱中症は高温や湿度の影響を受け、犬が十分な体温調節ができなくなる状態です。
これにより、犬は呼吸を通じて体内の熱を逃がそうとします。
特に注意が必要なのは、ブルドッグなどの短頭種や暑さに弱い犬種、暑い環境での運動後などです。
熱中症の症状は息切れだけでなく、嘔吐、下痢、意識障害なども伴うことがあります。
犬が暑さを感じた場合、速やかに涼しい場所に移動させ、冷却措置を施すとともに、動物病院での診察が必要です。熱中症は早期発見と適切な対処が重要です。
病気による呼吸困難
犬が病気を患っている場合、呼吸が荒くなることがあります。
例えば、呼吸器疾患や心臓疾患などが考えられ、明らかに苦しそうな様子になります。
その他注意が必要なのは、鼻の病気や喉の病気、気管の病気、心臓の病気、肺の病気、そして胸の病気です。
これらの疾患が呼吸に影響を与え、犬が正常に呼吸することが難しくなります。
愛犬が長時間口を大きく開けて「ハァハァ」と呼吸をしていたり、呼吸音に異常があったりする場合は、早急に動物病院での診察が必要です。
犬の息が荒いのかを見分ける方法
犬の呼吸数の測り方
愛犬の呼吸が正常かどうかを確認するためには、正確な呼吸数の測定が重要です。
以下は簡単な測り方です。
- 呼吸数は、愛犬の胸や腹が膨らんで元に戻ったら1回として数えます。
- 手で軽く触れながら数えるか、鏡を使って息で曇る回数を数える方法があります。
- 適切な測定条件で行うことが重要で、リラックスした状態や睡眠時に測定しましょう。
正常な呼吸数は1分間に15〜20回前後
犬の正常な呼吸数は一般的に、1分間に15〜20回前後とされています。
通常、小型犬では1分間に20回前後、大型犬では15回前後が正常な呼吸数とされています。
この基準は犬の大きさや年齢によっても変わるため、個体差を考慮しながら観察することが重要です。
数値は個体差があるため、普段から犬の正常な呼吸数を知っておくことが異常を早く気づく鍵です。
普段の呼吸数を知っておくと、緊急の時に動物病院で大変参考になります。
異常な呼吸数は30〜40回以上
犬の呼吸数が1分間に30〜40回以上の場合、これは通常の範囲を超えており、異常な状態を示しています。
異常に荒い呼吸は、呼吸器や心臓の問題、熱中症、あるいはその他の健康上の深刻な問題を示す可能性があります。
このような症状が見られる場合は、速やかに動物病院を受診して、詳しい検査や診断を受けましょう。
犬の息が荒い場合の対処法
犬の呼吸が明らかに荒い場合、飼い主はどのような処置をすべきでしょうか。
病院に行くまでに飼い主にできることがありますので、犬の息が荒い場合の対処法をご紹介します。
- 楽な姿勢を取らせる
- 暑い時期の場合は涼しい場所に移動させる
- 苦しそうな場合や異常な状態の場合は動物病院に相談する
楽な姿勢を取らせる
犬の息が荒い場合、まずは楽な姿勢を取らせることが重要です。
床に寝かせたり、クッションや柔らかいベッドで体を支えるようにしましょう。
これにより、呼吸にかかる負担を軽減し、愛犬が少しでも楽に呼吸できる環境を整えることができます。
ただし、症状が重篤な場合は速やかに動物病院の受診が必要です。
暑い時期の場合は涼しい場所に移動させる
犬が暑さを感じて呼吸が荒くなる場合、まずは涼しい場所に移動させてください。
直射日光を避け、風通しの良い場所で過ごせるようにします。
また、冷たい飲み物を与えたり、冷却シートを使用するなどして体温を調節することで、呼吸の異変を和らげることが期待できます。
ただし、症状が持続する場合や悪化する場合は、迅速な動物病院の受診が必要です。
熱中症は放っておくと重篤になりかねませんので、飼い主にできる処置をしながら、すぐに病院へ行ける準備をしておきましょう。
苦しそうな場合や異常な状態の場合は動物病院に相談する
犬が呼吸に苦しそうな様子や通常と異なる状態を示す場合、早急に動物病院への相談を検討してください。
犬の息が荒いのは生理現象である場合もあるので、病院に行くほどのものか見分けがつかない時もありますが、もしもの時を考えてためらわずに病院へ相談してください。
すぐに病院に行けない時は、かかりつけの病院や救急病院に電話をし、症状を説明してどのようにすべきかの指示を仰いでください。
犬のパンティングについて
犬のパンティングという行為をご存知でしょうか。
犬が暑い時に体温調節をしようとして行う行動です。
パンティングがどのような行動を取るのか、詳しく説明します。
暑い時に犬が体温調整として行う自然な行動
パンティングは、犬が口を開けて息を早く吸い込む行動を指します。
これは、犬が体温を調節する自然な反応であり、犬は発汗能力が制限されているため、口を開けて舌を出して体内の熱を放出します。
パンティングによって、犬は過剰な体熱を放熱し、暑い環境や運動による体温上昇を防ぎます。
暑い季節や興奮時、運動後など、犬が熱を逃がすためにパンティングを行います。
一見息が荒くなっているのかな?と思うこともありますが、正常値である1分間に20回前後でしたら心配ありません。
嬉しい時に見られる場合もある
犬が口を開けてパンティングをする行動は、暑い季節や体温調節の必要があるときだけでなく、嬉しい時にも見られることがあります。
喜びや興奮からくる体の熱上昇も、パンティングを通じて犬が熱を逃がす手段の一つです。
飼い主といっぱい遊べて嬉しかったり、他の犬と交流して楽しかったりする時に嬉しいパンティングが出てきます。
嬉しい時のパンティングは、口元を大きく広げ、笑顔のような表情を見せ、リラックスした状態で嬉しさを表します。
犬の息が荒い場合は注意が必要
今回は犬の息が荒い原因と見分け方、対処法について解説しました。
今回の記事のまとめです。
- 運動した後
- 体温調整のため
- ストレスや不安を感じたとき
- 物を間違って飲み込んだとき
- 怪我をした場合
- 熱中症
- 病気による呼吸困難
【犬の危機が荒いのかを見分ける方法】
- 正常な呼吸数は1分間に15〜20回前後
- 異常な呼吸数は30〜40回以上
【息が荒い時の対処法】
- 楽な姿勢を取らせる
- 暑い時期の場合は涼しい場所に移動させる
- 苦しそうな場合や異常な状態の場合は動物病院に相談する
【パンティングについて】
- 暑い時に犬が体温調整として行う自然な行動
- 嬉しい時に見られる場合もある
犬は基本舌を出して「ハッハッ」と言っているイメージがありますが、これは体温調節をしている行動であることが多く、基本的には心配ありません。
ですが犬の呼吸が1分間に30〜40回以上ある時は、異常値ですので病院へ相談に行くことを検討してください。
普段から犬の呼吸がどのくらいかを把握しておくことで、異常かどうか判断しやすくなります。