犬と一緒にいると色々な音に反応したり、そわそわしたり怖がったりすることはありませんか。
怖がるたびになだめて落ち着かせるけれど、できれば日常の音には慣れてくれたら助かりますよね。
今回は犬が嫌いな音と、音に慣れさせる方法をご紹介します。
- 犬が嫌いな音
- 嫌いな音に慣れさせるメリット
- 嫌いな音の見分け方
- 嫌いな音に慣れさせる方法
犬の嫌いな音に慣れさせる必要性
犬は人間より聴覚が優れているため、私たちが不快でない音にも反応してしまうことがあります。
特に子犬は初めて聞く音ばかりで怖がることが多く、ストレスが溜まってしまうため音に慣れさせてあげた方が落ち着いて暮らせます。
犬に嫌いな音を慣れさせる必要性についてご紹介します。
- 犬にストレスがかかるため
- 犬がパニックを起こすと危険なため
- 恐怖症になる場合があるため
犬にストレスがかかるため
犬は嫌いな音に慣れないと、犬に過度なストレスがかかってしまいます。
音に対する恐れやストレスが長期間続くと、犬の精神的、身体的健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
ストレスが続くと、不安、不眠、食欲不振、免疫系の弱体化などが発生し、吠える、家具を噛む、家の中で排泄するなどの問題行動が発生することがあります。
嫌いな音を聞き続けるとその音が鳴るたびに恐怖を感じ、トラウマになってしまいます。
犬の生活の質を低下させ、幸福度を脅かすことがありますので早急に対処すべきです。
犬がパニックを起こすと危険なため
犬の嫌いな音がすると、犬がパニックになり犬や飼い主に危険が及ぶ可能性があります。
パニック状態の犬は恐怖やストレスから、噛む、威嚇する、唸るなど攻撃的な行動に出ることがあります。
また、パニック状態の犬は避けたり逃げたりする危険性があり、逃走中に交通事故やけがのリスクが高まります。
行方不明になる可能性もあるため、飼い主にとって大変な心配事となります。
パニックになる音は一刻も早く音に慣れさせる訓練が必要です。
恐怖症になる場合があるため
犬が特定の音に対して過度の恐怖や不安を感じる場合、恐怖症になる危険があります。
恐怖症の兆候は以下の通りです。
震えやおびえる姿勢 | 犬は特定の音にさらされると、震えたり、身を丸めたりすることがあります。これは恐怖感を表す兆候です。 |
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過度な興奮 | 恐怖症の犬は、音に反応して興奮し、逃げようとします。これは飼い主や周囲の安全に危険を及ぼすことがあります。 |
逃避行動 | 恐怖症の犬は音に対抗して逃げたり、隠れたりしようとすることがあります。行方不明になる危険性があります。 |
不安や攻撃性 | 恐怖症の犬は不安や攻撃性を示し、飼い主や自分を攻撃することがあります。 |
犬の嫌いな音の見分け方
犬が嫌う音は犬それぞれですので、犬がどのような反応をしているかを観察するのが大切です。
犬が嫌っている音の見分け方を見ていきましょう。
- 犬が不安そうにしている
- 飼い主さんのそばに来る
- 音を聞くと隠れる
犬が不安そうにしている
犬が特定の音を聞いた時に不安そうにしている場合は、その音を嫌がっているサインです。
犬が不安な時に見せるサインは以下の通りです。
耳の動き | 犬は特定の嫌な音がすると耳を立て、音の方向を向いたり、耳を傾けます。 |
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体の緊張 | 犬は音に対して体を緊張させ、筋肉が硬くなります。特に尾の位置や背中の毛が逆立ちます。 |
震えやふるえ | 不安を感じたり恐怖を感じたりすると、犬は震えたり、身を震わせたりします。 |
嘆きや吠える | 犬は不安や恐怖を表現するために吠えたり、鳴いたりします。 |
興奮状態 | 嫌いな音に対して興奮して、動きが落ち着かなくなります。 |
飼い主のそばに来る
犬が嫌いな音を聞いた時、飼い主のそばに寄ってきます。
嫌な音が聞こえると、犬は飼い主のそばに寄って助けや支えを求めます。
これは犬の本能的な行動で、飼い主が安全で信頼できる存在であると感じている証拠です。
飼い主は犬と一緒に安心できる場所に移動し、撫でたり抱きしめたりして安心感を与えてあげることが大切です。
音を聞くと隠れる
犬が嫌いな音を聞いた時、その音が聞こえない場所に隠れようとします。
犬は自己保護本能が備わっており、恐ろしい刺激から逃れようとします。
嫌な音が聞こえると、犬は安全な場所を求めて隠れることで、その音から遠ざかり、自分を保護しようとします。
飼い主は犬が隠れる行動を見た時、犬の不安を理解し、優しく支えてあげましょう。
犬の嫌いな音の種類
犬が嫌がる音はどんな音があるでしょうか。
犬は私たちよりも聴覚が優れているため、人間には平気な音でも犬にとっては驚異に感じられることがあります。
犬の嫌いな音について見ていきましょう。
- 大きな音
- 突然鳴る音
- 嫌な思いをしたことがある音
- 電化製品や工具などの音
大きな音
犬は「大きな音」を嫌います。
犬の聴覚の範囲は人間の4倍、強弱は16倍と言われています。
大きな音の例として、以下のものは犬にとって驚きや不安をもたらすことがあります。
- 雷
- 花火
- 爆発音
- サイレン
- 列車の音 など
飼い主として犬の安心感を考慮し、できるだけ静かな環境を提供することや、必要な場合には犬に安心感を与える方法を検討することが大切です。
突然鳴る音
犬は「突然鳴る音」も嫌います。
このような音は犬にとって予測が難しく、驚きや不安を引き起こすことがあります。
突然なる音の例として、以下のものは犬にとって過剰に反応することがあります。
- チャイム
- 電話
- 家電の警告音
- 物が倒れる音 など
犬は規則的で予測可能な環境を好み、突然の音や出来事は不安を引き起こすことがあります。
飼い主としては、犬がこれらの音に対して慣れるようにトレーニングを行うことや、できるだけ犬の安全と快適さを考慮することが重要です。
嫌な思いをしたことがある音
「嫌な思いをしたことがある音」は、犬にとって特定の音が過去の嫌な経験と結びついている場合に該当します。
犬は過去の経験から学習し、特定の音が不快であると認識することがあります。
- 雷、台風、強風
- 怒鳴る声
- 病院で聞いた機械音 など
特に病院の音は犬が痛い思いをした場所で、嫌な思い出として記憶していることがほとんどです。
トラウマがある音に反応している場合は、優しくなだめたり、その音をいい思い出に塗り替えられるように対策を検討しましょう。
電化製品や工具などの音
電化製品や工具の音は、一部の犬にとって嫌な音に含まれます。
犬は特に高音域の音に不快感を感じやすく、ストレスを引き起こすことがあります。
- 掃除機
- 電子レンジ
- ミキサー
- 工事現場の音
特に掃除機は高音域で継続的な音なので苦手な犬が多く、頻度も多いのでストレスが溜まりやすいです。
掃除機をかける時、犬が不安そうな表情をしていないか確認しながら使いましょう。
犬の嫌いな音に慣れさせる方法
電話や家電の音など、日常で頻繁にある音に慣れておくと平穏に過ごすことができます。
特に子犬は初めて聞く音ばかりなので、その音が無害であることを認識させることが大切です。
犬の嫌いな音に慣れさせる方法をご紹介します。
- 生後1〜3ヶ月の子犬の社会化期にさまざまな音を聞かせる
- 愛犬の苦手な音を把握し小さい音から流して慣らす
生後1〜3ヶ月の子犬の社会化期にさまざまな音を聞かせる
生まれてすぐの頃から色々な音に慣れさせておくと、子犬はその音に慣れて警戒しなくなります。
以下は子犬に音を慣れさせるための方法です。
子犬の社会化期 | 犬の社会化期は生後1〜3ヶ月の間で、この時期にさまざまな音に触れさせ、犬にとってそれらが安全で普通の環境の一部であることを学ばせることが大切です。 |
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段階的に導入 | 嫌いな音を扱う際には、音を段階的に導入しましょう。例えば、掃除機の音に慣れさせる場合、最初は音を小さくし、徐々に音量を上げていきます。これにより、犬はゆっくりと慣れることができます。 |
ポジティブな経験 | 嫌な音を聞いてもポジティブな経験を与えましょう。音が鳴ると、おやつや遊びの時間を楽しむことを通じて、犬に音と良いことの関連付けを行います。 |
褒める | 例えば掃除機をかけている間に静かに待てたら褒めて撫でてあげると、掃除機の悪い印象がなくなります。 |
落ち着かせる場所 | 嫌な音が聞こえる場面で犬に安心感を提供するため、犬のリラックスできる場所を用意しましょう。犬用ベッドや毛布、ゲージなど、犬が避難できる場所があると安心です。 |
愛犬の苦手な音を把握し小さい音から流して慣らす
犬の嫌な音を把握し、その音を段階的に導入することで犬がその音に慣れていきます。
以下はおすすめの訓練の方法です。
- 犬の苦手な音が掃除機、雷、花火など、どの音に反応しているのかを特定します。
- その音を録音し、最初は録音された音を非常に小さな音量で再生し、犬がその音に注意を向けることなく過ごせるようにします。
- 音が鳴っている間、おやつやおもちゃを使って犬に楽しい経験を与えます。
- 犬が小さい音に慣れてきたら、音量を少しずつ上げていき、犬が快適に感じられる音量まで徐々に調整します。
繰り返しの訓練を行い、犬がその音に慣れていることを確認し、時間をかけて犬に音に対処できる自信を持たせましょう。
この方法を使って、犬は嫌な音に対して徐々に耐性を持つようになります。
犬の嫌いな音を利用したしつけグッズ
犬の嫌いな音を克服させるには、犬の嫌いな音を利用したしつけグッズが有効です。
おすすめのしつけグッズをご紹介します。
- 音アプリ
- 超音波を出す装置
- 犬笛
- クリッカー
音アプリ
犬のしつけや訓練に「音アプリ」を活用することは、犬が嫌いな音に対処するトレーニングに役立つ有効な方法です。
音アプリは、さまざまな音を再生できるスマートフォンアプリです。
犬が嫌いそうな音、例えば雷の音、花火の音、掃除機の音が登録されています。
代表的な音はアプリを使い、その他の特定の音は飼い主が録音して訓練をすると良いでしょう。
犬の嫌いな音がわかっていれば特定の音を訓練し、まだ聞いたことがない音に慣れさせたいのであれば、色々な音を流してあげると効果があります。
超音波を出す装置
「超音波アプリ」は無駄吠えや問題行動の改善に大変有効です。
超音波は、人間の耳には聞こえない高周波数を発生し、犬のしつけや行動修正に使用されます。
無駄吠えや問題行動を起こしたときに犬の苦手な高周波の超音波を流すことで、行動と嫌な音が結びついて、その行動を控えるようになります。
ちょっと犬には気の毒な気もしますが、家具を噛むと嫌な音がする、ここで吠えると嫌な音がする、というトラウマ的な要素を利用してしつけをさせることで、問題行動がなくなっていきます。
犬笛
犬笛は、犬のしつけに使用される特別な笛です。
犬笛は人間の耳には聞こえない超音波音を発生させ、しつけのための命令を出すときに使います。
例えば、座る、来る、止まるなどのコマンドに従うように、犬笛の特定の音が特定のコマンドや行動と関連づけられるため、犬が従うように学びます。
犬笛は犬が遠くにいても音が届くため、犬笛の音を聞いた場合、飼い主に戻るように訓練できます。
危険な状況の時や公共の場で犬をコントロールするのに役立ちます。
クリッカー
クリッカーは、犬のしつけと訓練に広く使用される便利なツールです。
犬がどの行動が報酬に繋がるのかを理解するのに役立ちます。
クリッカーはさまざまな訓練シナリオに適用でき、従順訓練、トリックの訓練、遠隔操作の訓練、行動修正など、さまざまな訓練目的で使用できます。
犬の嫌いな音まとめ
今回は犬が嫌いな音と、音に慣れさせる方法をご紹介しました。
今回の記事のまとめです。
- 大きな音
- 突然鳴る音
- 嫌な思いをしたことがある音
- 電化製品や工具などの音
- 犬の嫌いな音に慣れさせるには、生後1〜3ヶ月の子犬の社会化期にさまざまな音を聞かせる
- 犬の嫌いな音に慣れさせるには、愛犬の苦手な音を把握し小さい音から流して慣らす
- 犬の嫌いな音に慣れさせないと、犬にストレスがかかる
- 犬の嫌いな音に慣れさせないと、犬がパニックを起こすと危険
- 犬の嫌いな音に慣れさせないと、恐怖症になる場合がある
- 犬の嫌いな音の見分け方は、犬が不安そうにする
- 嫌な音が鳴ると飼い主さんのそばに来る
- 嫌な音を聞くと隠れる
犬の聴覚は人間の数倍も優れているため、音に関しては私たちよりも多くのものに反応し、警戒しています。
犬が音に対して、日常の普通の音であることを認識してもらうために、トレーニングを通して慣れさせてあげましょう。