「散歩に行くと人や犬に吠えて困ります」
「玄関のチャイムが鳴ると吠えます」
「叱っても吠えるのをやめません」
このように、愛犬が吠えることで困っている飼い主さんはたくさんいらっしゃいます。
多くの方がこれを「無駄吠え」と言いますが、実際には愛犬は必ず何らかの意味を持って吠えているため、「無駄吠え」という言葉は少し自分勝手かもしれませんね。

吠える犬について
愛犬が吠えるのはほとんどの場合、困ることが多いです。
犬が吠えることは、犬にとって自然な行動ですが、できれば吠えずに生活してくれると助かりますよね。少なくとも、他人に迷惑をかけないようにトレーニングできれば嬉しいです。
そのためにはまず、「無駄吠え」と一言で片付けずに、愛犬の吠えをしっかり観察し、分析することから始めてください。
「愛犬がどういうときに吠えるのか?」は、多くの飼い主さんが把握していると思いますが、「どうして吠えているのか?」原因を理解していないことが多いです。
吠える原因、つまり犬の目線でいう「目的」を把握すれば、吠えたときにどのように対応すれば吠えが少しでも収まるのかが見えてきます。まずは、愛犬がどうして吠えているのか、じっくり観察してみてください。
犬が吠える5つの理由
それぞれの吠えには異なる対処やトレーニング方法が必要です。まずは、愛犬が吠える目的・原因がどれに該当するかを考えてみてください。それぞれの吠えに対する対応の仕方についても簡単に記載しています。
1. 要求や自己主張による吠え
要求吠えとよく言われますが、飼い主さんにかまって欲しくて吠えるケースです。飼い主さんの注目を集めるために、こちらを見ながら吠えてくる子が多いです。
基本的には、この場合、要求には応えないことがセオリーです。要求吠えは、要求に応えれば応えるほど強くなるため、応じてはいけません。しかし、飼い主さんが「これはコミュニケーションだから」と返事をしたり、食べ物を要求された際に与えてしまったりと、対応してしまうことが多いです。
「ご飯の時間やお散歩の時間を教えてくれる賢い子だ」とおっしゃる飼い主さんもいます。
そのため、「絶対に相手をしてはいけない」と言っても徹底できる飼い主さんは少なく、なかなか直らなかったり、エスカレートすることが多いです。
私は相手にしないのが一番だと思いますが、すでにエスカレートしてしまってどうしても相手をせざるを得ない場合、ステップ1として始めてほしいことがあります。
犬が吠えたらすぐに要求に応えるのではなく、まず「おすわり」などのコマンドに応えさせ、それから要求を満たすようにしてみてください。
この方法で、次第に愛犬が「吠えたら飼い主さんが言うことを聞いてくれる」から「座ったら良いことが起こる」という考え方に変わるかもしれません。
少しでも効果が見えたら、コミュニケーションの取り方が変わってくると思いますので、ぜひ試してみてください。
2. 不安や寂しさからの吠え

飼い主さんが犬から離れたときに、寂しくて吠えてしまう子も多くいます。
子犬のうちは、くぅ~んと小さな声で鳴いていたのが、だんだんと声が大きくなり、最終的にはワンワンと吠えるようになることもよくあります。これも、癖がつくと直すのに時間がかかりますが、じっくり取り組めば少しずつ改善していきます。
まずは、離れてから鳴く前に戻って安心させることを繰り返します。
鳴く前の時間が1秒の子もいれば30秒の子もいると思いますので、とにかく鳴く前に戻り、ほめることが大切です。
これをじっくり時間を延ばし、ほめる行動を少しずつシンプルにして、離れていても必ず戻ってくるという安心感を与えてあげてください。根気がいるトレーニングですが、頑張ってみてください。
3. 警戒や縄張り意識からの吠え

郵便屋さんや来客に吠えるのは、このタイプの吠えです。散歩中に人や犬に吠えるのも、ほとんどがこのケースです。
警戒の吠えと縄張り意識の吠えは厳密には異なりますが、どちらにしても勢いがあり、最も止めにくい吠えです。
癖がつくと直りにくいですが、子犬のうちにこの吠えが始まったばかりであれば注意してください。
吠えたときに目的が達成されると、犬はさらに吠えるようになります。警戒でも縄張り意識でも、吠えた後に相手を追い払えたと感じると、吠えが強まります。まずは、吠えにくい環境を整え、吠えなかったときにはごほうびをあげることで、少しずつ改善していくことが可能です。頑張ってみてください。
4. 遊びたいときや興奮したときの吠え

このタイプの吠えは、個人的には多少可愛いと思いますが、人に対して遊びに誘う吠えは要求吠えになるため、すぐに相手をするのはやめてください。
犬同士で遊びに誘って吠えることも多いです。
この吠えがうるさい場合や、夜遅い時間に吠える場合は止めさせる必要があります。この吠えは、吠えているときに犬は耳がよく聞こえているため、比較的簡単に止めさせることができます。注目させることができたら、おやつをあげても良いですね。
5. 音に反応する吠え

玄関のチャイムが鳴ったり、物音がしたときに吠える子も多いです。
特に、静かな場所でくつろいでいるときに大きな音がすると、反応して吠えることがよくあります。この場合、音が鳴ると必ず吠えるという状況であれば、その音が鳴ると良いことが起こるというトレーニングを繰り返し行うことで改善されます。
インターホンに対する吠えが最も一般的ですが、家族や友人に協力してもらい、インターホンを鳴らしておやつをあげることを繰り返すことで、少しずつ改善されることがあります。ただし、すぐに直るわけではなく、コツコツと練習が必要であることを覚えておいてください。
今回は、犬がどうして吠えるのかについて説明させていただきました。
まずは愛犬をしっかり観察してください。
吠え方を観察すると、声の高さや大きさ、速さ、間隔が様々であることがわかると思います。最初はどうして吠えるのか分からずに悩むかもしれませんが、観察を続けることで、犬がどうして吠えているのかが少しずつ分かってくると思います。
人や犬との触れ合いが少なかったり、運動が不十分だったり、外での気晴らしが足りなかったりすると、吠える行動が悪化することがあります。
吠えについて相談を受けると、「吠えた時はどうしたらいいですか?」という質問が必ず出ますが、吠えの種類によって対応が異なりますし、飼い主さんが原因だと思っているものが実際には違うこともあります。まずは「吠えないように工夫してください」としかお答えできません。
どのケースでも、大声で叱ることは避けてください。
大きな声で「うるさい!やめなさい!」と叱ると、さらにエスカレートすることが多いです。どうしてもやめさせなければならない場合は、冷静に変わった音を出してみてください。犬にとって不快な音を用意しておくと良いでしょう。
「無駄吠えを直すぞ!」とそればかりにとらわれる前に、まずは日常的に必要なこと、お散歩や運動、信頼関係づくりのためのトレーニングにも取り組んでください。吠えの悩みがなくなると、愛犬がさらに可愛く感じられると思いますので、ぜひチャレンジしてみてください。
YouTubeでは、この内容を動画でお話しています。

