犬の肛門嚢は、肛門の左右に位置する袋状の器官で、そこに分泌物が溜まります。この分泌物は、通常は自然に排出されるものですが、さまざまな要因でうまく排出されずに溜まってしまうことがあります。
この記事では、肛門嚢が溜まりやすい原因や、自宅でできるケア方法、注意すべきポイントについて詳しく解説します。
犬の肛門嚢は絞る必要がある?正しいケア方法と注意点を解説
肛門嚢は自然に排出される?
肛門嚢の分泌物は、通常犬が排便する際に自然に排出されます。
特に硬い便が肛門を通るときに肛門嚢が押され、分泌物が外に出ます。しかし、次のような場合、肛門嚢に分泌物が溜まりやすくなります。
柔らかい便が続いている場合
便が柔らかいと、肛門嚢をしっかり圧迫できず、分泌物が溜まりやすくなります。
小型犬や特定の犬種
小型犬や特定の犬種は、肛門嚢の分泌物が自然に排出されにくい傾向があります。このため、定期的に絞る必要があるかもしれません。
肥満や活動量の少ない犬
肥満や運動不足が原因で肛門周りの筋肉が弱くなり、分泌物が排出されにくくなることがあります。
肛門嚢に分泌物が溜まったときのサイン
肛門嚢に分泌物が溜まると、犬は不快感を覚え、いくつかの特有の行動を見せることがあります。以下のサインが見られる場合、肛門嚢が溜まっている可能性があります。
お尻を地面にこすりつける(スクーティング)

犬がお尻を床や地面にこすりつける行動は、肛門嚢に分泌物が溜まってかゆみや違和感を感じているサインです。
肛門やお尻周りを頻繁に舐める
肛門周りを執拗に舐めている場合、肛門嚢のトラブルが疑われます。
肛門周りが腫れたり、赤くなる
分泌物が溜まっていると、炎症を引き起こし、肛門周りが腫れることがあります。
悪臭がする
肛門嚢から漏れ出た分泌物は非常に強い臭いを持っています。もし犬から普段とは違う異臭がしたら、肛門嚢にトラブルがあるかもしれません。
肛門嚢の絞り方

肛門嚢を絞ることは、自宅でも行えますが、最初は獣医師やプロのトリマーに方法を教わるのが安心です。以下は、自宅で安全に肛門嚢を絞るためのステップです。
準備
ゴム手袋を装着し、肛門を覆うためのタオルやティッシュを用意します。肛門嚢の分泌物は臭いが強いので、風通しの良い場所で行うと良いでしょう。
犬をリラックスさせる
犬を安定した姿勢で立たせ、リラックスさせましょう。お尻周りを触られることに敏感な犬もいるので、優しく声をかけて安心させてください。
肛門嚢の位置を確認
肛門を時計に見立てて「4時」と「8時」の位置に肛門嚢があります。軽く触ると、ぷにっとした小さな袋が感じられます。
優しく絞る
肛門嚢を親指と人差し指で優しくつまみ、内側に向かって押し出すように絞ります。無理に力を入れず、優しく行うことがポイントです。分泌物は茶色や黄色の液体で、強い臭いがします。
しっかり拭き取る
分泌物が出たら、肛門周りをきれいに拭き取りましょう。出血や異常な色の分泌物が見られた場合は、すぐに獣医師に相談することが必要です。
肛門嚢を絞る際の注意点
無理に絞らないこと
肛門嚢が自然に排出されている場合は、無理に絞る必要はありません。肛門嚢にトラブルがなければ、絞る必要はありませんし、過度に絞ることで犬に痛みを与えてしまうことがあります。
肛門嚢炎や破裂に注意
肛門嚢に分泌物が溜まりすぎると、炎症を起こして肛門嚢炎になることがあります。さらに、放置すると肛門嚢が破裂し、感染症のリスクが高まります。異常が見られた場合は、すぐに獣医師に相談しましょう。
頻度に注意する
肛門嚢を絞る頻度は、犬種や体質によって異なります。通常、月に1〜2回程度が目安ですが、便が柔らかい場合や、お尻を頻繁にこすっている場合はもう少し頻繁に行う必要があるかもしれません。
専門家に相談する

肛門嚢のトラブルに不安を感じたり、自宅で絞ることに抵抗がある場合は、無理をせずに獣医師やプロのトリマーにケアを依頼することも考えてください。
プロのケアを定期的に受けることで、肛門嚢のトラブルを未然に防ぐことができます。
まとめ
犬の肛門嚢ケアは、犬が快適で健康に生活するために重要なケアの一つです。
特に、小型犬や肛門嚢のトラブルが起きやすい犬種には、定期的なケアが必要になることがあります。正しい方法で肛門嚢を絞ることで、炎症や感染を防ぎ、犬も快適に過ごすことができます。

