犬も人間と同じようにおならをすることがあります。
たまにするおならは生理現象として自然なことですが、臭いや頻度が気になる場合は注意が必要なことも。
内臓の病気などが原因となって引き起こされている場合があります。
この記事では主に下記の内容について紹介していきます。
- 犬がおならをする理由
- 臭いおならが出る4つの原因
- 犬のおならが気になった時考えられる3つの病気
- おならが気になる時の対策
犬のおならには体調不良のサインが隠れていることがあります。
ワンちゃんの体の異変にいち早く気づけるよう、危険なおならの特徴と対策について把握しておきましょう。
犬がおならをする理由
犬がおならをするのは、体に溜まったガスを外へ排出するためです。
主に食べ物が消化する過程で発生するガスなどが、おならとして排出されます。
また、パンティングという体温調節のための口呼吸を行う際、空気を多く飲み込んでしまうとおならとして排出されることもあります。
ワンちゃんの胃の調子次第で臭いや回数が変わってきますので、おならの特徴によってはワンちゃんの体調を判断する目安となることがあります。
短頭種の犬はおならをしやすい
鼻先から口元までの距離が短い犬は短頭種と呼ばれ、パグ、フレンチブルドッグ、シーズー、ボストンテリアなどが当てはまります。
これらの犬は他の犬種に比べて呼吸が苦手で、激しい呼吸をしやすいため空気をよく飲み込んでしまします。
そのため、おならをしやすい犬種としても知られているのです。
ただ短頭種でなくても、興奮しやすい性格の犬も呼吸が激しくなりやすいため、おならが出やすいです。
臭いおならが出る4つの原因
臭いおならが出てしまう原因は主に下記の4つです。
・食べ物
・老化
・ストレス
・病気
原因ごとに適切な対処をしてあげるためにも、臭いおならの原因となるものを把握しておきましょう。
食べ物
腸内細菌が食べ物を分解する際に発生するガスは、食べたものによって臭いの強さも変化します。
特に肉類などのタンパク質を多くとると、おならが臭くなりやすいです。
そのため、適度に野菜なども含まれたフードに変えることで、臭いを抑えられることがあります。
老化
シニア犬になると、今までと同じものを食べていても胃腸に負担がかかることがあります。
消化機能が衰えることで、腸内バランスが崩れやすくなるのですね。
腸内細菌の動きも悪くなり、おならが臭くなることがあります。
ストレス
犬は非常に繊細な動物で、ストレスが溜まると体調に影響が出ることもあります。
また免疫力も低下しやすくなり、悪玉菌が増えて腸内で異常な発酵が起きてしまうことがあります。
そのように、ストレスが溜まると腸内バランスが崩れ、おならが臭くなりやすいのです。
病気
犬のおならは何かしらの病気の兆候ということもあります。
次の項目で、考えられる病気について詳しく紹介していきます。
犬のおならが気になった時考えられる3つの病気
おならの臭いや回数が気になった時、その原因は内臓疾患などの病気の可能性があります。
考えられる主な病気は下記の4つです。
- 腸の炎症・腫瘍
- 腸閉塞(イレウス)
- 炎症性腸疾患
- 寄生虫の感染
病気の特徴も一緒に紹介していきますので、ワンちゃんに当てはまる症状が出ていないか確認してみてください。
腸の炎症・腫瘍
小腸や大腸に炎症が起きた時、腸内に腫瘍ができた時などはおならの臭いが強くなります。
炎症の場合はおならの回数も増えやすく、熱や嘔吐を伴う場合があります。
食べ物の中毒や消化不良が主な原因です。
腸内腫瘍が原因の場合は特に、臭いがきつくなる傾向にあります。
すぐに手術をしないと命にかかわるケースが多いため、強烈な臭いがすると感じたら早めに動物病院で相談するのがおすすめです。
腸閉塞(イレウス)
腸閉塞はイレウスとも呼ばれ、腸の中でものが詰まり、通り道を塞いでしまう病気です。
犬の場合、食べ物ではないものを誤って飲み込んでしまった場合に多く見られます。
例えばおもちゃのかけら、洋服のボタン、子どもの靴下などを、遊んでいるうちに誤って飲み込んでしまうことがあります。
腸閉塞ではおならの症状は出ますが、異物によって通り道が狭まっているため排便が難しくなります。
そのため激しい腹痛や強い吐き気など、ワンちゃんにとっても辛い症状を伴います。
基本的には外科手術が必要な緊急性の高い病気ですので、早急に対応する必要があります。
炎症性腸疾患
炎症性腸疾患というのは腸に障害が起こる病気で、IBDとも呼ばれます。
炎症が起きて腸内環境が乱れることで、臭いおならが出るようになります。
はっきりとした原因はまだ解明されておらず、慢性的に症状が出てしまうことが多いです。
便秘や下痢をしやすい犬、ストレスに弱い犬は炎症性腸疾患になりやすい傾向がありますので注意しましょう。
寄生虫の感染
寄生虫に感染すると腸内環境が悪くなり、おならの回数が増えることがあります。
腸内環境に影響を与える寄生虫は主に犬回虫、コクシジウム、ジアルジアなどです。
成犬は寄生虫に感染しても、重症化しない限りは他に症状が出ないことが多いです。
早期発見で重症化を防げることもありますので、おならが気になった時は動物病院で便検査などを受けてみましょう。
おならが気になる時の対策
おならの原因によっては自宅で改善できるケースもあります。
消化吸収の良さ、内臓にかかる負担などを考慮し、ワンちゃんの腸内環境を整えてあげる工夫をしましょう。
食事のとり方を変える
勢いよくごはんを食べるワンちゃんの場合、フードと一緒に空気も多く飲み込んでしまいます。
たくさんの量を一気に食べるのを防ぐため、数回に分けて少量ずつご飯を与えるようにしましょう。
早食いを防ぐことで消化不良を起こしにくくなり、不要なガスの発生を抑えることにつながります。
水分を多くとる
食べたフードに対して水を飲む量が少ないと、消化器への負担が大きくなります。
そうすると腸内ガスの発生が増え、おならが出やすくなるのですね。
適度な水分補給をさせて腸内環境を整えることが、おならの改善につながります。
与えるフードを変える
ドライフードを主食として使っている場合は、ウェットフードに変えるとおならを改善できることがあります。
食べ物と水分をバランスよく摂取することで、ガスの発生を抑えることにつながります。
ただ、ウェットフードには総合栄養食ではない、副菜やおやつ用のものも多いです。
主食として使う場合は栄養が偏ってしまわないよう、総合栄養食と記載のあるものを選ぶのがおすすめです。
ストレスを取り除く
何に対してストレス感じるかはワンちゃんによって様々です。
普段の何気ないしぐさや行動をよく観察し、何が原因かを見極めましょう。
例えばですが、留守番が多く寂しい思いをしている、運動不足が続いている、コミュニケーションが不足している等は犬のストレスの原因になりやすいです。
思い当たるものがあれば、できる限り改善してあげるようにしましょう。
整腸剤を与える
おならの臭いが気になる時は、整腸剤を与えてみるのも方法の一つです。
腸内の善玉菌を増やすことで、おならの臭いを軽減できることがあります。
犬用の整腸剤は市販されていますので、用法用量をよく確認して与えるようにしましょう。
おならだからと油断せず気になったら相談を
犬がおならをした時、臭いや頻度が気になる場合は体調不良のサインかもしれません。
原因によっては自宅で改善できることもありますが、早急に動物病院で診てもらうべきケースもあります。
たかがおならと油断することなく、違和感があるときは病気の可能性も視野に入れて対処しましょう。