犬のお腹を見せるしぐさはどういう意味?仰向けのしつけ方も紹介!

犬のお腹を見せるしぐさはどういう意味?仰向けのしつけ方も紹介! 犬のコラム

たまに犬がゴロンと寝転がってお腹を見せていることってありますよね。

そのかわいらしい姿に癒されている飼い主さんも多いのではないでしょうか。

一方で犬がこのようなしぐさをする理由には、意外と知られていないものもあります。

もしかしたら、ワンちゃんは飼い主さんが思っているのとは違う意味でお腹を見せるしぐさをしているのかもしれません。

この記事では、主に下記の内容について紹介していきます。

  • 犬がお腹を見せる理由8つ
  • お腹を見せてくる犬への接し方
  • 仰向けになれるようしつけるメリット3つ
  • 仰向けのしつけ方
  • 犬がお腹を見せている時の健康チェックのポイント3つ

犬が何気なく見せるしぐさには、ただかわいらしいだけではなくいろいろな意味が隠されているものです。

ワンちゃんの気持ちを正しく理解して、これからのコミュニケーションに活かせるようにしましょう。

犬にとってお腹は急所

犬以外の動物にとってもそうですが、お腹は骨で覆われていないうえ大切な内臓が集中している場所でもあり、傷ついたら命にもかかわることがある急所です。

お腹を見せている時に敵に襲われたら大変なことになりますから、本来はむしろ隠すべき部分とも言えます。

なので、動物が自分からお腹を見せるという行動は非常に珍しいことなのですね。

犬はどうして自分からお腹を見せるようなしぐさをするのでしょう。

その行動が表す意味をここから詳しく紹介していきます。

犬がお腹を見せる8つの理由

犬がお腹を見せる理由

犬がお腹を見せるしぐさの意味として、考えられるものを8つ紹介していきます。

  • 降参・服従を表している
  • 防御態勢、反撃体制をとっている
  • 信頼している・甘えたいと伝えている
  • リラックスしている
  • においを消そうとしている
  • 飼い主さんを落ち着かせようとしている
  • 敵意がないことを表現している
  • 涼もうとしている

ワンちゃんの行動はどれに当てはまるものなのか考えながら目を通してみてください。

降参・服従を表している

犬は降参や服従を伝えるために、相手にお腹を見せることがあります。

相手との力関係を理解して敵わないことを認める意味があるのですね。

この場合は飼い主だけでなく、他の力の強い支配的な立場にいる犬に対してもそういった行動をとります。

防御態勢、反撃体制をとっている

お腹を見せるしぐさは先に説明したように「服従のポーズ」として有名ですが、実は真逆の意味も持つ可能性もあるという研究結果があるのです。

カナダにあるレスブリッジ大学と南アフリカ大学の研究者の、犬同士の腹見せ行動についての研究によると、腹見せのポーズには急所である首を守る「防御態勢」や「反撃体制」「単なるケンカごっこ遊び」という意味も含まれているそうです。

信頼している・甘えたいと伝えている

飼い主さんの前まで来て尻尾を振りながらお腹を見せている時は、甘えたいという意味だと考えられます。

飼い主さんの方をじっと見て「撫でてほしいな」と訴えているのですね。

撫でてあげると甘噛みされることもありますが、この場合は愛情表現としてじゃれているだけで、嫌がっているわけではありません。

リラックスしている

周囲に誰かがいるわけでもないのにお腹を出しているのは、リラックスしてくつろいでいる状態です。

急所をさらしても不安がないほどに安心しているということですから、よほど落ち着ける環境にいるということでしょう。

中にはお腹を出した状態のまま寝てしまう犬もいます。

においを消そうとしている

犬は非常に鼻がいい動物ですから、生活の中でも匂いはかなり重要な要素です。

例えば体を洗ってもらった直後などにお腹を見せる動きをしている時は、背中をこすりつけてシャンプーの匂いをとろうとしているのかもしれません。

飼い主さんにとってはいい匂いでも、犬は自分本来の匂いがわからなくなってしまうほどの別の匂いが体につくことをよく思わないことがあります。

そういう時に背中をこすりつけるしぐさが、結果的お腹を見せることになっている、ということもあるのですね。

飼い主さんを落ち着かせようとしている

飼い主さんから叱られそうな気配を感じた時に、反省の意味を込めてお腹を見せるしぐさをしていることもあります。

「反省しているから怒らないで」と飼い主さんを落ち着かせようとしているのですね。

そういう時は少し伏し目がちで、許してもらえることを期待して少しだけしっぽを振っていたりします。

飼い主さんの表情や感情を敏感に感じ取って先手を打っているということですね。

敵意がないことを表現している

警戒心の強い性格の犬が、なぜか初めて会う人に対してお腹を見せる、ということもあります。

この場合は相手を信頼しているからという理由ではなく「私はあなたの敵ではない」と伝えようとしているのです。

初めて会う相手でも、子どもだったり自分より格下だと判断すれば威嚇しますが、大きな男の人だったり、自分では敵わないと判断するととっさにお腹を出して敵意がないことをアピールするのですね。

涼もうとしている

もし夏の暑い日なら、仰向けになりお腹を出すことで涼もうとしている可能性があります。

犬のお腹は比較的毛が少ないため、風の涼しさを感じやすいのです。

また仰向けで体を広げることでこもっていた熱を発散させているとも考えられます。

お腹を見せてくる犬への接し方

お腹を見せる犬への接し方

犬がどういう意図でお腹を見せているかによって、こちらがどのように接したらいいのかも変わってきます。

犬がお腹を見せているときの接し方についてパターン別で紹介していきます。

優しくなでてあげる

犬がわざわざこちらに寄ってきてお腹を見せてきたとき、さらにしっぽを振っていたり、こちらを見つめてくるときには、こちらからも優しくなでるなどしてあげましょう。

かまってほしい、なででほしいというアピールの可能性が高いです。

そっと見守ってあげる

犬が一人で仰向けになっている、くつろいでいる、眠そうにしている時などはそっと見守ってあげるのが良いでしょう。

こういった場合は犬がリラックスしている状態です。

急にお腹を触られたり想定していない刺激を与えられたりすると、びっくりしてとっさに噛みついてしまうこともあるようですからね。

仰向けになれるようしつける3つのメリット

普段あまりお腹を見せることがない犬でも、仰向けになることを嫌がらないようしつけることは大切です。

仰向けになれるようにしつけをしておく主なメリットは下記の3つです。

  • 主従関係を理解させることができる
  • 病気を早期発見につながる
  • 動物病院でスムーズに診察できる

一つずつ詳しく解説していきます。

主従関係を理解させることができる

仰向けを覚えさせることで、飼い主さんの立場が上であり従うべき存在なのだと教えることができます。

しつけの最中に嫌がることもあるかもしれませんが、飼い主さんより自分の立場が上なのだと勘違いしてしまうことにつながりますので、時には叱ることも必要です。

病気の早期発見につながる

お腹周りや脚の付け根、足の側面などは普段異常があってもなかなか発見しづらい部分です。

仰向けを嫌がらないようしつけておくことで、発見が遅れて重症化しやすいこれらの箇所の異変を早期発見しやすくなります。

ワンちゃんの健康管理のためにも仰向けの姿勢ができることは重要なのですね。

動物病院でスムーズに診察できる

動物病院で診察を受けるとき、お腹周りを見るためには仰向けの姿勢にならなければいけません。

仰向けになることは急所をさらすことですから、普段仰向けの姿勢に慣れていない犬が急にその体制を取らされたら嫌がって激しく暴れることもあります。

おとなしく仰向けになってくれるほうがワンちゃんへの負担も少なくてすむため、できれば子犬の頃から仰向けに慣れさせておくのがおすすめです。

仰向けのしつけ方

仰向けのしつけ方

仰向けをしつけるときはまず「おすわり」を覚えさせ、それから「ふせ」、「ごろん」の順に段階を踏んでいきます。

「ごろん」がうまくいったときは軽くお腹を触って、おやつをあげるか褒めるなどのご褒美をあげるようにしましょう。

そうすることで「ごろんをするといいことがある」と覚えさせることにつながり、徐々に仰向けの姿勢に慣れることができます。

ごろんのしつけ方については、こちらの動画をぜひ参考にしてください。

【犬の芸】 ドッグトリック ロールの教え方

ドッグトレーナーであり、犬のしつけ教室も運営されている金倉さんが「ロールの教え方」について解説しています。

叱るとき名前は呼ばないほうがいい

叱ることと名前を呼ぶことをセットにしてしまうと、ワンちゃんが名前を呼ばれたときに叱られていると勘違いしてしまうことがあります。

ワンちゃんが甘噛みしてくる時や言うことを聞かない時には叱ることもあると思いますが、その際には名前を呼ばないように気をつけましょう。

犬がお腹を見せている時の健康チェックの3つのポイント

お腹に異常がないかもチェック

犬がお腹を見せている時は、普段見えない部分の健康チェックをするチャンスでもあります。

チェックする際のポイントは下記の3つです。

  • 膨らんでいるところはないか
  • 皮膚は健康か
  • 激しく嫌がるところはないか

順番にポイントを解説していきます。

膨らんでいるところはないか

お腹を触ってみて、イボやしこりのようなものがないかを確認しましょう。

問題ないものである可能性もありますが、最悪の場合癌や腫瘍ができていることも考えられます。

お腹の一部にふくらみがあるな、と感じるようなときは動物病院で検査してもらいましょう。

皮膚は健康か

お腹の毛をかき分けて皮膚の状態もチェックしておきましょう。

一見正常に見えても、よく見ると湿疹ができていたり赤くかぶれたりしていることもあります。

毛の間からノミやダニが見えるということもありますので、ワンちゃんの皮膚もしっかりと確認しておく必要があります。

激しく嫌がるところはないか

お腹を触った時、異常に嫌がったり痛がったりするときは体に何か異常が起きているサインかもしれません。

この場合も早めに動物病院で検査を受けることをおすすめします。

まとめ

犬のお腹を見せるしぐさにはどのような意味があるのかについて解説しました。

犬がお腹を見せる理由は様々で、紹介した中には意外に思えるものもあったのではないでしょうか。

もしかしたら、今まで飼い主さんが思っていた意味とは違う理由からお腹を見せていたこともあるかもしれませんね。

言葉を話せない犬にとって、何気ないしぐさの一つ一つが飼い主さんへのメッセージでもあります。

こういったしぐさの意味を正しく理解して、最適な対応をしてあげられるように備えていきましょう。