犬のお腹がキュルキュル鳴るのには様々な原因があります。
自然治癒するものもあれば、早急に動物病院を受診したほうがいい場合もあるため注意が必要です。
この記事では主に下記の内容について紹介していきます。
- 犬のお腹がキュルキュル鳴る理由
- 病気以外でお腹がキュルキュル鳴る6つの原因
- お腹がキュルキュル鳴る際に考えられる6つの病気
- 病院を受診すべき症状
- 自宅でできる3つの対処法
なにが原因なのかによって、ワンちゃんにしてあげるべき対応も変わってきます。
最適な対処法を見極めるためにも、考えられる原因や症状の特徴などを把握しておきましょう。
犬のお腹がキュルキュル鳴る理由
犬のお腹がキュルキュル鳴る理由は大きく分けて2つあり、1つは生理現象、もう1つは体調不良によるものです。
犬も人間と同じで、食べ物の消化中や空腹時にお腹が鳴ることがあります。
こちらは生理現象ですので、特に心配することはありません。
ただ病気や体調不良によってもお腹が鳴ることはあり、その場合ワンちゃんにとっても腹痛などのつらい症状が出ているかもしれません。
ただの自然現象と油断せず、体調不良のサインが現れていないか注意して見てあげましょう。
病気以外でお腹がキュルキュル鳴る3つの原因
犬のお腹がキュルキュル鳴る原因のうち、まずは病気以外ものから紹介していきます。
考えられる主な原因は下記の3つです。
- お腹がすいている
- 食べ物を消化している
- ストレスが溜まっている
それぞれの特徴についても合わせて紹介していきますので、ワンちゃんに当てはまる症状が出ていないか確認してみてください。
お腹がすいている
犬も人間と同じで、空腹になるとおなかが鳴ります。
胃や腸などの消化器官が、食べ物を受け入れるために収縮運動をすることで音が鳴るのですね。
最後の食事から時間があいている時にお腹から音が聞こえてきたら、空腹が原因である可能性があります。
食べ物を消化している
人間もそうですが、胃で食べ物を消化している時にはキュルキュルと音が出ることがあります。
消化するときだけでなく、食べ物が腸内を移動するときの腸の伸縮運動によって音が鳴っているケースもあります。
音が聞こえてくるタイミングがいつも食後である場合には、消化に伴う運動が原因である可能性が高いです。
ストレスが溜まっている
犬は非常に繊細な動物で、ストレスが溜まると体調にも影響することがあります。
また免疫力も低下しやすくなり、悪玉菌が増えて腸内で異常な発酵が起きてしまうことも。
腸内バランスが崩れてうまく食べ物を消化できないことで、キュルキュルと音が出るのですね。

病気以外でお腹がキュルキュルなるときは、元気で食欲もあるはずです。
もし、元気や食欲が落ちていたり、嘔吐下痢など他の症状がある場合は、病気を疑った方が良いですね。
お腹がキュルキュル鳴る際に考えられる5つの病気
犬のお腹が鳴っている時に考えられる病気は、主に下記の5つです。
- 膵炎
- 腸閉塞
- 過敏性胃腸炎
- 胃捻転症候群
- 寄生虫の感染
早急に治療すべき病気が原因となっているケースもあるため、もしもに備えて症状の特徴などを把握しておきましょう。
膵炎
膵炎は膵臓に炎症が起こり、消化酵素が膵臓自体を溶かしてしまう病気です。
発症するとお腹がキュルキュルと鳴ることがあり、合わせて激しい嘔吐や腹痛、食欲不振の症状が出ます。
また、犬は腹痛を感じると前足を伸ばし、腰を持ち上げて頭を低くするポーズをとることがあります。
このような症状が見られ膵炎が疑われる場合には、できるだけ早く動物病院へ連れていくようにしましょう。
膵炎は悪化すると命の危険もある非常に緊急性の高い病気ですので、早急に対応することが大切です。
腸閉塞
腸閉塞は腸の中でものが詰まり、食べ物の通り道を塞いでしまう病気です。
犬の場合、食べ物ではないものを誤って飲み込んでしまった場合に多く見られます。
例えばおもちゃのかけら、洋服のボタン、子どもの靴下などを、遊んでいるうちに誤って飲み込んでしまうことがあります。
腸閉塞では異物によってものの通り道が狭まるため、排便が難しくなります。
そのため激しい腹痛や強い吐き気など、ワンちゃんにとっても辛い症状を伴います。
基本的には外科手術が必要な緊急性の高い病気ですので、早急に対応する必要があります。
過敏性胃腸炎
過敏性胃腸炎はストレスとの関連が深いといわれていますが、確かな原因はまだ解明されていません。
キュルキュルという音の他に、下痢、軟便、便秘、急な腹痛などの症状が慢性的に起こります。
下痢については以下の記事で、詳しく解説しています。
気になる方はぜひご覧ください。
犬が下痢をする原因は?病院を受診すべき症状と家庭での対処法を解説
胃捻転症候群
胃捻転とは何らかの原因によって胃が捻じれ、ものの通り道が狭まってしまうことです。
血流が遮断されることでショック状態に陥り、最悪数時間で死に至ることもある緊急性の高い病気です。
吐きたいのに吐けない、お腹が膨らんでいる、ぐったりしているという症状が合わせて見られる時には、すぐに病院へ連れていきましょう。
寄生虫の感染
犬の体に寄生虫が入り込むと感染症を起こすことがあり、その結果お腹が鳴ることがあります。
寄生虫が消化器官に住み着くことで腸内環境が悪化し、消化不良や粘血便、下痢など症状が一緒に出ることがあります。
病院を受診すべき症状
食欲や元気があり、お腹が鳴る以外に気になる症状がない場合は自宅で様子を見ても大丈夫でしょう。
一方で、元気や食欲がない、下痢や嘔吐をしている、お腹が張っている等の症状がみられる時には、緊急性の高い病気が原因の可能性があります。
この場合は様子を見ることなく、すぐに動物病院へ連れていくようにしましょう。

やはり、お腹がキュルキュルなる以外の症状があるときは、様子を見ずに動物病院に相談してください。
もし、先生から心配ないと言っていただければ、安心もできますしね。
自宅でできる3つの対処法
犬のお腹が鳴っている時の対処法は下記の3つです。
- 食べ物と食べ方を見直す
- 腹部をマッサージする
- 犬用の整腸剤を与える
ワンちゃんのお腹がキュルキュルと鳴っている時には、体を動かさず安静にしているのが基本です。
そのほかにも自宅でできる対処法について紹介しますので、参考にしてみてください。
食べ物と食べ方を見直す
勢いよくごはんを食べるワンちゃんの場合、フードと一緒に空気も多く飲み込んでしまいます。
たくさんの量を一気に食べるのを防ぐため、数回に分けて少量ずつご飯を与えるようにしましょう。
早食いを防ぐことで消化不良を起こしにくくなり、不要なガスの発生を抑えることにつながります。
腹部をマッサージする
腸の動きが悪いことが原因の場合、腹部をマッサージすることで改善されることがあります。
ただし、誤ったマッサージは別の体調不良の原因となることがあります。
マッサージが有効かどうか医師に相談し、方法を指導してもらった後に行うようにしましょう。
犬用の整腸剤を与える
ワンちゃんの腸内環境改善のために、犬用整腸剤を与えてみるのも方法の一つです。
腸内の善玉菌を増やすことで、消化不良などを軽減できることがあります。
犬用の整腸剤は市販されていますので、用法用量をよく確認して与えるようにしましょう。

自宅での対処は1~2日にしましょう。
1~2日対処しても改善の傾向がない場合は、やはり動物病院にご相談いただいたほうが良いですね。
腸内環境を整える工夫を
犬のお腹がキュルキュル鳴るのは、基本的には腸内環境が乱れていることが原因です。
食事方法の見直しや整腸剤の服用など、胃腸の調子を整えるためのサポートをしてあげることで改善しやすくなります。
ただ、いろいろと試してみた結果改善しないようであれば動物病院で相談してみましょう。
病気が原因となっている場合は、早期発見による早急な治療が何より大切ですからね。
お腹のトラブル以外にも、犬の病気について解説している記事を投稿しています。
興味のある記事があれば、ぜひご覧ください。
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