【獣医師監修】犬が寝言を言う理由!いびきや夢を見ているのかについて解説

犬が寝言を言う理由!いびきや夢を見ているのかについて解説 犬のコラム

「うちの子、寝言をよく言っているけど夢でも見ているのかしら?」

「たまに苦しそうな寝言を言うけど大丈夫なの?」

といった愛犬が寝言を言っているそこのあなた。

犬が寝言を言うのは、よく見られる事例なので心配いりません。

しかし、苦しそうにしていたり、いびきをかいていたりするなら注意が必要。

この記事では、以下の内容について説明します。

  • 寝言を言う理由
  • 苦しそうな寝言・いびきの健康上のリスク
  • 睡眠中によくする行動と対応方法
  • 睡眠時の寝方と心理状態

寝言を言っている理由や健康上の問題性があるのか知りたい方は、ぜひご覧ください。

この記事の監修者
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動物病院京都 院長
小川 修平 先生
京都府宇治市出身。2017年大阪府立大学獣医学科卒業後、動物病院京都 本院にて勤務を開始する。2020年に分院である「ねこの病院」副院長を経て2021年より動物病院京都本院の院長に就任する。JAHA認定総合臨床医取得。趣味はスポーツ観戦(中日ドラゴンズと京都サンガを応援しています)、好きな食べ物は白子と日本酒です。

 

犬もいろんな寝言を言う

犬もいろんな寝言を言う

犬も人間と同様、いろんな寝言を言います。

  • 高い声で「ワォーン」という鳴き声
  • 「ウーウー」と甘える鳴き声
  • 「ワン、ワン」という鳴き声

など、起きているのかと勘違いすることもあるのではないでしょうか?

同時に手足を動かしていることもあります。

犬の寝言は、いろんな家庭のワンちゃんに見られています。

寝言を言うからといって、必ずしも異常があるわけではありません。

小川院長
動物病院京都
小川 先生
犬の寝言はとても可愛くて癒されますね。
寝言は基本的には問題ないのですが、年齢とともに寝言が増えてくる場合や、寝言を言っている際に手足をバタバタする場合は焦点発作と言って脳の病気の可能性もあるので動画を取った上で動物病院に相談してください。

犬が寝言を言う理由

犬が寝言を言う理由は、断言できません。

「夢を見ているから」という理由が有力ですが、証明ができないのです。

人間の場合、夢を見ていることはMRIを使えば証明できます。

犬の場合は、「夢を見ていること」を同様の方法では証明できないのです。

証明できないため、寝言を言う理由は不明です。

いびき・苦しそうな寝言をする場合は要注意

いびき・苦しそうな寝言は要注意

いびきや異常な寝言の場合、病気の可能性があります。

いびきについては、呼吸に着目してください。

呼吸が荒かったり、音がおかしかったりする場合は問題があります

炎症が起きると、呼吸が正常にできなくなり、呼吸も異常になるのです。

中には、途中で呼吸が止まって、無呼吸になっている場合も。

上記のように異常がみられる場合は、動物病院に連れて行ってください。

状況を伝えるために、動画を撮っておくと良いでしょう。

日常的にいびきをかいており、呼吸に問題のない犬の場合は病院に行く必要はありません。

危ないいびきになる原因

いびきになる原因は、以下のことが挙げられます。

  • 肥満などで脂肪が増大し、気道が狭くなった
  • アレルギー症状や呼吸器疾患により、粘膜が炎症を起こしている
  • 口腔周りに腫瘍ができて、気道周辺を圧迫している

等のことが考えられます。

食べすぎが原因でない場合、「アレルギー」や「腫瘍」の恐れが。

早期発見が大切な場合もあるので、すぐに病院で診てもらいましょう。

いびきをかきやすい犬種は短頭種

いびきをかきやすい犬種って?

短頭種(たんとうしゅ)の犬がいびきをかきやすいです。

短頭種とは、鼻が短い犬種のことで、他の犬種より気道が狭いのが特徴。

いびきをかきやすい犬種は以下の通りです。

  • フレンチ・ブルドッグ
  • ブルドッグ
  • パグ
  • ペキニーズ
  • ボストン・テリア
  • チワワ
  • シー・ズー
  • キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル

これらの犬種は、喉が狭いためいびきが出やすいのです。

小川院長
動物病院京都
小川 先生
「短頭種軌道症候群」と呼ばれるように、これらの犬種は鼻と喉の構造が狭くなっています。
この症状は特に夏場に悪化することが多いです。いびきをかいている・喉が熱い・舌の色は普段よりも紫色になっている場合は保冷剤で喉を冷やしてすぐに動物病院に相談しましょう。

寝言を言っていてもそっとしてあげよう

苦しそうな寝言ではない場合、問題ありません。

そっと寝ている姿を見守ってあげてください。

寝言を言っているときは睡眠中なので、体力を回復している最中でもあります。

犬は眠りが浅く、長時間眠る生き物。

起こしてしまうと、疲労回復に影響が出ます。

犬が寝ているときにする不思議な行動

寝ている犬の不思議な行動

寝ているときにする行動には以下のものがあります。

愛犬はいくつあてはまるものがありますか?

  • しっぽを振る
  • 目を閉じ切れていない
  • 手足を動かしている
  • 走るような動作をする
  • 耳をピクピク動かしている
  • 寝ぼけている

上記の行動は、無意識に行っています。

犬の寝相・寝方別の心理状態

犬の寝相・寝方ごとの心理状態

犬の寝相は、主に6種類に分けられます。

心理状態は、簡単に分けると以下の2通り。

  • リラックスしている状態
  • 少しは警戒している状態

詳しくは以下の表をご覧ください。

寝相 リラックス度
丸まって寝る リラックスしている
横向きに寝る
仰向けで寝る
うつ伏せで寝る 少しは警戒している
伏せの状態で寝る
少しだけ丸まって寝る

愛犬の寝相は「リラックスしている」「警戒している」のどちらでしたか?

より詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

犬の寝相ごとの心理状態は?問題のある寝方・いびきについても紹介

犬があくびをする理由を知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

犬があくびをする理由とは?要注意なあくびの見分け方も紹介!

小川院長
動物病院京都
小川 先生
自宅の犬がよく眠れるように環境を整えてあげることが重要です。
睡眠場所は静かでリラックスできる場所・トイレや食事とは少し離れた場所・快適な湿度や温度の場所に設置してあげましょう。
眠りが浅いことでストレスが溜まりやすくなり各種病気に唾がったり問題行動が生じる可能性があります。

まとめ

まとめ

この記事では、「犬の寝言の理由」「病院へ連れて行くべきか」について解説しました。

以下がまとめです。

この記事のまとめ
  • 寝言を言うのは異常ではなく、よく見られる行動
  • 犬が寝言を言う理由は、夢を見ているからと考えられている
  • 犬が夢を見るのかは、解明されていない
  • 苦しそうな寝言や異常ないびきの場合は病院へ
  • 寝ている時に走ったり、しっぽを振ったりすることもある
  • 寝ている最中は不必要に起こさない

いかがでしたか。

犬が寝言を言うのは、いろんな家庭で見られています。

ぐっすり寝て、健康な体を保ってほしいですね。

リラックスして眠れる環境を作ってあげましょう。