犬にほうれん草を与えても大丈夫?冷凍保存の食材・適切な量

犬にほうれん草を与えても大丈夫?冷凍保存の食材・適切な量 犬の食べ物

「ほうれん草って犬に与えても大丈夫?生の状態でも平気」

「シュウ酸が犬には危険って本当?与えない方が良いの?」

といった犬に、ほうれん草を与えてもいいか調べているそこのあなた。

結論を言うと、基本的には犬にほうれん草を与えてもいいです。

ただし、シュウ酸という成分が犬には危険です。

シュウ酸を摂りすぎると、尿路結石症を引き起こす恐れも。

与え方や与える量を守って、食べさせましょう。

この記事では、以下の内容について解説します。

  • ほうれん草の犬への与え方・適切な量
  • ほうれん草に含まれている栄養素
  • 犬にほうれん草を与える際の注意点
  • 冷凍保存のほうれん草を与えてもいいのか
  • モロヘイヤや小松菜は与えてもいいのか

犬へのほうれん草の与え方や注意点を知っておきたい方は、必見の内容です。

犬にほうれん草は与えても大丈夫

ほうれん草

犬にほうれん草は、基本的に与えても大丈夫です。

ただし、ほうれん草には注意点も。

ほうれん草には、犬に有害なシュウ酸が 含まれています。

シュウ酸を摂りすぎると、「シュウ酸カルシウム尿路結石症」になる恐れも。

このことから、環境省のペットフードガイドラインにも「注意が必要なもの」と記されている食べ物です。

正しい与え方と量を守れば、問題ないので正しく理解して与えましょう。

子犬に与えても問題ないがカルシウムに注意

ほうれん草は、子犬に与えてもOK。

ただし、子犬に与える際はカルシウム量に注意。

ほうれん草には、カルシウムがたくさん含まれているので過剰摂取になる恐れも。

いつもドッグフードで与えているカルシウム量と合わせて問題ないか計算しましょう。

子犬が必要とするカルシウム摂取量は、AAFCO基準では以下の通りです。

子犬が必要とするカルシウム摂取量

484mg✕体重(kg)

ただし犬種や犬によっても個体差があるので、この摂取量は目安にしてください。

シニア犬に与えても問題ない

ほうれん草は、シニア犬に与えてもOK。

ほうれん草には、カルシウムが多く含まれています。

シニア犬に与えると、以下の対策になります。

  • 骨粗しょう症になるのを防ぐ
  • 骨が折れるのを防ぐ

犬は体内でカルシウムを作れません。

ほうれん草を与えて、カルシウムを体内に補填しましょう

ほうれん草にはルテインという栄養素も含まれています。

目の病気の進行を食い止める作用も期待できますよ。

ほうれん草に含まれている栄養素

栄養素

ほうれん草に含まれている栄養素は、食品成分データベースによると以下の通りです。

ほうれん草(夏採り)を茹でた場合の葉(可食部)100gあたりの成分表示は以下のようになります。

食品成分 100g当たりの量
エネルギー 23kcal
水分 91.5g
たんぱく質 2.6g
脂質 0.5g
炭水化物 4.0g
灰分 1.2g
食塩相当量 0g

文部科学省「食品成分データベース」より参照

その他にも、以下のようにたくさんの栄養が含まれています。

  • ビタミンC
  • βカロテン
  • 鉄分
  • ビタミンE
  • ビタミンK
  • カルシウム

ビタミンC

ほうれん草には、ビタミンCがたくさん含まれています。

ビタミンCは抗酸化作用がある栄養素。

活性酸素を取り除けるので、病気や老化の対策になります。

期待できる効果は、以下の通りです。

  • アンチエイジング
  • 病気の予防
  • 免疫力の向上

βカロテン

βカロテンは、皮膚や被毛の健康状態を維持するのに役立ちます。

歯や粘膜を丈夫にする役割も。

βカロテンは、体内でビタミンに変わります。

ビタミンCと同様、抗酸化作用もあるので、アンチエイジング効果が期待できますよ。

鉄分

鉄分を取らないと、貧血になりやすくなります。

鉄は赤血球を作るのに必要な栄養素。

鉄が不足すると、赤血球を十分に作れません。

赤血球が不足すると、体中に酸素が行きわたらなくなってしまいます。

その結果、貧血になりやすくなるのです。

貧血になったら、すべての臓器が正常に働かなくなる可能性があります。

最悪の場合、死に至ることもあるので貧血にならないように注意しましょう。

ビタミンE

ビタミンCと同様、抗酸化作用があります。

ビタミンEはビタミンCと一緒に摂取することで、良い働きがあります。

ビタミンK

ビタミンKは、摂取したカルシウムを骨に沈着させる作用があります。

ビタミンKを摂ることで、骨が丈夫になりますよ。

凝結作用もあるので、出血した際も安心。

ビタミンKによって、出血を食い止めやすくなります。

カルシウム

カルシウムは犬が体内で作れない栄養素。

食べ物から積極的にとらなければなりません。

歯や骨の健康維持に必要な栄養素です。

ほうれん草の与えてもいい量

ほうれん草の与えてもいい量

ほうれん草は、おやつ程度の量を与えましょう。

具体的には、1日に必要とするカロリー量のおおよそ1割。

犬のサイズによって、必要カロリー量は違います。

詳細は以下の表をご覧ください。

犬の体重 与えてもいい上限量
2kg 104g
5kg 208g
15kg 474g
20kg 588g
50kg 1170g

上記は、あくまで目安の量です。

必要摂取カロリーから考えた目安の量でしかありません。

年齢や成長段階、健康状態によっては、特定の栄養素の摂りすぎになるので注意してください。

犬へのほうれん草の与え方

犬 ごはん

犬へほうれん草を与える際は、以下のポイントを守って与えましょう。

  • 細かく切って与える
  • 洗ってから茹でる
  • 茹でた後、ホウレンソウに付着しているアクを水で流す。
  • 生の状態では与えない
  • 茹でて茎のような固い部分を柔らかくする

特に重要な点は、「茹でてアクを出すこと」。

ほうれん草のアクには、犬に有害なシュウ酸が含まれています。

茹でることでアクをある程度除去できますよ。

茹でた後も水で流すことで、より取り除けるでしょう。

ほうれん草は、根や茎の部分も与えて大丈夫です。

茹でて、柔らかくしてから与えてくださいね。

犬にほうれん草を与える際の注意点

ほうれん草を与える際の注意点

ほうれん草を与える際の注意点は、以下の通りです。

  • ほうれん草にアレルギーを持つ犬もいる
  • シュウ酸の摂取量に注意
  • 食物繊維の摂りすぎで便秘になる恐れがある

ほうれん草にアレルギーを持つ犬もいる

他の食べ物と同様、犬によってはアレルギー症状が出る場合も。

初めて与える際は、少量から与えてみましょう。

アレルギーの際に見られる症状は、以下の通りです。

  • 口や体のかゆみ
  • 下痢
  • 嘔吐

ほうれん草を与えた後に、上記の症状が見られたら要注意です。

症状が重い場合は、動物病院に連れて行ってください。

シュウ酸の摂取量に注意

ほうれん草には、シュウ酸がたくさん含まれています。

含有量は「100gあたり800mg」と野菜の中では、トップクラスに多いです。

シュウ酸をたくさん摂ると、尿路結石症になるリスクが高まります。

シュウ酸カルシウム尿石症になると、以下の症状が見られます。

  • 血尿
  • 品超
  • 排尿痛
  • しぶり

シュウ酸カルシウム尿石症は、泌尿器疾患の一つ。

犬にほうれん草を与える際は、シュウ酸をできるだけ少なくして与えましょう。

3分茹でることで、37~51%程度のシュウ酸を除去することが期待できますよ。

食物繊維の摂りすぎで便秘になる恐れがある

食物繊維は過剰摂取すると、以下の症状を起こす原因に。

  • 下痢
  • 軟便
  • 便秘

食物繊維の摂りすぎは、便トラブルを引き起こしやすくなってしまいます。

与えた後に、便の調子が悪くなった場合は与えすぎの可能性がありますよ。

犬は冷凍のほうれん草は食べていいの?

冷凍ほうれん草

冷凍保存のほうれん草も与えていいです。

ただし、茹でたタイプのほうれん草を与えましょう。

茹でたタイプの方が、シュウ酸を取り除けているからです。

茹でたタイプの他に、蒸したタイプのほうれん草もあります。

蒸したタイプはシュウ酸があまり除去できていない可能性もあるでしょう。

タイプを確認するには、パッケージで確認しましょう。

製造方法を販売会社に問い合わせてみるのも良いでしょう。

小松菜やモロヘイヤも犬に与えていい

小松菜やモロヘイヤも与えて大丈夫です。

ただし、モロヘイヤは与える際に注意が必要。

モロヘイヤは部位によっては、犬には有害だからです。

  • サヤ

これらの部位は与えないようにしてください。

ストロファンチジンという毒が含まれているからです。

小松菜についてより詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

はちみつ以外に犬に与えてよい食べ物

食材

かぼちゃ以外にも、与えても良い食べ物はたくさんあります。

食べても大丈夫な食べ物は、以下の通りです。

  • きゅうり
  • ブロッコリー
  • いちご
  • バナナ
  • りんご
  • 鶏肉
  • 牛肉
  • 豚肉
  • まぐろ
  • さけ
  • さば

食べさせてはいけない食べ物は以下の通りです。

種類 食べてはいけない食べ物
果物 レモン、ぶどう(レーズン)、さくらんぼ、いちじく、グレープフルーツ、ざくろ、すだち
野菜 ネギ、玉ねぎ、にんにく、アボカド、トマト、ギンナン、ニラ
魚介 カニ、イカ、エビ、貝、ししゃも、タコ
豆類 ビターアーモンド、マカダミアナッツ
お菓子 チョコレート、キシリトール
飲み物 コーヒー、ココア、アルコール、緑茶、酒類
そのほか ソーセージ、生のパン、香辛料

食べ物に含まれる栄養素について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

食べてもいい野菜について、知りたい方は以下の記事をご覧ください。

まとめ

柴犬 笑顔

この記事では、「ほうれん草の犬への与え方や注意点」や「ほうれん草に含まれる栄養素」について解説しました。

以下がまとめです。

この記事のまとめ
  • ほうれん草を犬に与えても、基本的には問題ない(アレルギーの犬を除く)
  • 子犬やシニア犬でも与えてOK
  • ほうれん草に含まれるシュウ酸が犬には有害
  • シュウ酸を少なくするためにも、茹でてから与えよう
  • ほうれん草は生の状態では与えてはならない
  • 健康状態・成長段階によっては、カルシウムや食物繊維の摂りすぎに注意が必要

いかがでしたか?

ほうれん草は栄養がたくさん含まれている食材。

正しい与え方を理解して、安全に愛犬に与えてくださいね。